沖縄の島野菜|沖縄の土壌

沖縄の土壌


沖縄の土壌の概要

 沖縄の土壌は、南部に多く見られるジャーガル島尻マージや、北部に見られる国頭マージ、その他にもクチャニービといった土壌に分けられ、他府県の土壌と異なる様相を示します。
 内地では、植物などが堆積や火山灰が堆積してできた土壌が多く見られますが、沖縄の土壌は、大陸からの川や海流によって堆積した土壌や、太古の珊瑚でできた琉球石灰岩の風化などで出来たミネラル分たっぷりの土壌になります。そのため、沖縄の土壌は有機物が少なく、多くの圃場では、牛糞堆肥やバガス(さとうきびの絞りかす)、緑肥植物等による土づくりが行われ、植物にとって最高の土壌環境で育てられています。
 圃場用水もミネラルたっぷりの大地を流れているため、ミネラル分が多く含まれています。
 実際に沖縄の土壌で育てた野菜が、内地のものよりもミネラルが多く含まれているという試験結果も出ています。九州沖縄農業研究センターの研究報告では、沖縄県の各土壌中のカルシウムや鉄分、カリといったミネラル分が豊富に含まれており、内地の土壌よりも沖縄の土壌で育てたゴーヤーの方がミネラル分が豊富という研究結果が報告されています。

ジャーガル

 沖縄本島中南部、宮古群島に分布し、古代に大陸から堆積した島尻層群の泥灰岩からできた土壌です。灰色〜灰褐色で、粘土質の非常に細かい粒子で出来ているため透水性が低く、雨が降るとジャカジャカ(グチャグチャ)の粘着性の泥になるため、農作業が大変です。アルカリ性が強く、酸性を好む果樹(パイナップル等)には不向きです。島尻マージを客土したり、緑肥等の植物繊維分を補給し、土づくりを行うことで、透水性が改善され、豊富なミネラル分を利用して栽培が行われています。

島尻マージ

 沖縄本島中南部、宮古群島に分布し、古代の珊瑚の化石である琉球石灰岩の風化作用によりできた土壌です。赤褐色で、琉球石灰岩が混ざる粘土質の土壌ですが、透水性はよく、逆に晴天が続くと直ぐに乾燥してしまうため、安定した灌水設備が必要です。アルカリ性が強く、酸性を好む果樹(パイナップル等)には不向きです。ジャーガルを客土したり、牛糞堆肥等の腐植分を補給し、土づくりを行うことで、保水性が改善され、豊富なミネラル分を利用して栽培が行われています。

国頭マージ

 沖縄本島北部、八重山群島に分布し、粘板岩、砂岩、安山岩、花崗岩、国頭礫層などの母材に、植物等の堆積によりできた土壌です。鮮やかな赤褐色をしており、強酸性土壌でpHが5以下になることもあります。野菜栽培は難しく、主に酸性を好むパイナップルが栽培されています。沖縄のパイナップル栽培は北部に多いのはこのような訳です。

ニービ

 本島近海離島に見られる、堆積した砂が中心の土壌です。粒子の細かい砂なので、透水性がかなり高く、逆に乾燥害がでるため、灌水設備を整えるか、乾燥に強い農作物を植えるかされています。一方で、このような土壌は直根性の島にんじんや、砂質土壌を好む島らっきょうなどの栽培に向いており、2つの島の間に堆積した砂から出来た渡名喜島では、灌水設備を整え、高品質の島にんじんや島らっきょうを栽培しています。

クチャ

 本島中南部の一部に分布し、古代に大陸から堆積した泥灰からできた土壌です。灰色〜青灰色をしており、非常に細かい粒子で出来ています。豊富なミネラル分を利用したクチャによる美顔パックもあるそうです。ジャーガルと同じく透水性がほとんど無く、緑肥による土づくりが必要です。


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